• ホーム
  • 頭部白癬の治療薬イトラコナゾールの効果

頭部白癬の治療薬イトラコナゾールの効果

イトラコナゾールは、爪や足指などに発生する水虫の原因菌・白癬菌に効果がある、抗真菌薬の一種です。
白癬菌は真菌(カビ)の仲間であり、人体や動物など生物の体内にあるタンパク質をエサに増殖していきますが、抗真菌薬であるイトラコナゾールを服用することにより増殖を抑制して症状を改善します。

薬を服用することによって体内で起きている作用は、主に真菌の細胞膜合成の妨害行為です。
トリアゾール系の抗真菌薬であるイトラコナゾールの特徴として、強い抗真菌活性に加えて幅広い種類の真菌への対応力が挙げられます。
通常の足白癬はもちろん、皮膚の内部にあって薬効成分が浸透しにくいとされる頭部白癬や爪白癬にも大きな効果が期待できる薬です。

頭部白癬に対してイトラコナゾールが強い効き目を及ぼす理由は、真菌細胞と人の細胞の構造の違いを利用している点です。
真菌はエルゴステロールを主成分とする植物性細胞膜を所有しており、抗真菌薬はこのエルゴステロールの生合成を妨害することによって、菌の成長および増殖を邪魔して薬効成分を発揮しています。
人はもちろん、犬や鳥など動物の体内の細胞にはこの植物性細胞膜を所有していません。
菌類だけが所有するという特徴を利用することで、内服薬として体内に取り込んでも大きな効き目が期待できるのはこのためです。

イトラコナゾールの用量・用法は、1日1回100mgから200mgを食後に服用します。
生命体の体内の中で酸化を受けにくく、脂溶性であり組織から少しずつ放出されるため、効果が長持ちするのが特徴です。
そのため万が一飲み忘れた時は、気付いた時に1回分服用すれば良いでしょう。
次に服用する時間との間隔が短ければ1回飛ばしても構いません。
薬用効果が強く長持ちすることから1日に2回服用しても意味がない上に、過剰に摂取すれば余分な副効用を発症する恐れがあるため、医師の指示を守り正しい用量・用法で服用するようにしましょう。

飲み合わせに注意!イトラコナゾールの併用禁忌薬

併用禁忌とされている薬は、神経系の薬であるオーラップ、不整脈を抑えるベプリコールやキニジンが挙げられます。
イトラコナゾールと併用することでこれらの薬の成分の血中濃度が高まり、QT延長が発現する可能性があるからです。
不整脈をうまく抑制できなかったり、神経系統に異常が発生することがあるため、併用してはいけません。

脳の神経を鎮めて緊張感をほぐす効果があり、睡眠導入剤に用いられるハルシオンもイトラコナゾールとの併用は危険です。
主成分であるトリアゾラムの血中濃度が上昇してしまい、作用が増強されて作用時間が延長することがあります。
薬剤の代謝が阻害されることも治験の結果から判明しており、不整脈の薬品と同じく併用しないようにしましょう。

他にも、血中コレステロールを減らす薬であるリポバスも併用禁忌であり、横紋筋融解症が出る恐れがあります。
血圧を下げるカルブロックやレザルタス、バイミカードと併用した場合、主成分であるアゼルニジピンの血中濃度が高まることで薬効が強まり危険な状態になることがあるので、こちらにも注意が必要です。

近年では犬や猫などペットも頭部や鼻部などに白癬菌が感染し、治療が必要となる場合があります。
犬には人間用ではなく、犬用のイトラコナゾールを使用しなければなりません。
その際も自己判断で薬品を購入せずに、動物病院の診断を受けて犬用の薬を処方してもらうようにしてください。

また、使用禁忌の他にイトラコナゾールを服用した時の副効用についても見ていきます。
主に見られる症状としては、倦怠感や食欲不振、発熱や発疹・かゆみ、手足の冷えや吐き気などが挙げられます。
副効用の種類を見ると数が多く感じるかもしれませんが、実際に発現する確率は0.1%から1%未満です。
副効用を恐れず、正しい用量・用法を守って服用し、再発を防ぎつつ完治を目指しましょう。
もし、服用していて違和感があれば、放置せずにすみやかに医師に連絡してください。